はやり目

はやり目(感染性結膜炎・感染性角膜炎)

♠感染性結膜炎

感染性結膜炎の症状

感染性結膜炎は、細菌やウイルスが目に感染し、白目の一番表面の膜である結膜に炎症を起こす病気です。目に不快な症状があらわれることがほとんどですが、プール熱のように目の症状だけでなく、のどの痛みや発熱といった、かぜに似た症状を引き起こすこともあります。

♠感染性結膜炎の主な症状

・涙が出る

・目がゴロゴロする

・目やにが出る

・目が赤い(充血する)など

・プール熱の場合:発熱・のどの痛み

♠感染性結膜炎の原因

感染性結膜炎の原因には、大きく分けて、細菌による感染と、ウイルスによる感染があります。

♦細菌性結膜炎

原因菌はインフルエンザ菌や肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などです。黄色ブドウ球菌は、健康な人ののどや鼻、皮膚、手指、毛髪、腸管などにも分布しています。感染力が弱いため、感染の危険は大きくありませんが、目にケガをしたとき、病気などで身体の抵抗力が落ちたとき、子どもの場合は、感染しやすくなります。

♦ウイルス性結膜炎

原因ウイルスの多くはアデノウイルスです。アデノウイルスは感染力が強く、多くの場合は人から人へと感染するので、注意が必要です。「はやり目」や「プール熱」もアデノウイルスによる感染性結膜炎です。

♦感染性角膜炎

感染性角膜炎とは、角膜に細菌やカビなどが感染して、炎症を起こす病気のことです。角膜とは黒目にあたる部分で、通常は涙に覆われて外部からの刺激や病原体の侵入から守られています。

♣感染性角膜炎の症状

角膜に傷が付いている場合には細菌などの病原体に感染しやすくなり、次のような症状が引き起こされます。

・目の痛み

・目がゴロゴロする

・目の充血

・涙が出る

・まぶたが腫れる

・黒目が白くなる

など、基本的には両目ではなく、片方の目だけに症状が出ます。
また、感染性角膜炎は放置しておくと角膜潰瘍を起こすこともあります。角膜潰瘍では、病巣が角膜の内部にまで広がって、黒目が白く濁ったり、視力が低下したりすることもあります。

♠感染性角膜炎の種類
 ♦細菌性角膜炎

細菌によって起こる角膜炎です。ゴミや砂などの異物が目に入ったり、コンタクトレンズの装用で角膜にキズがついたりしたときなどに起こります。放置すると失明の危険がありますので、一刻も早い治療が必要となります。

 ♦真菌性角膜炎

カビ(真菌)によって起こる角膜炎です。植物などによる外傷、ソフトコンタクトレンズの連続装用、ステロイド剤の長期点眼などにより起こることがあります。細菌性のものに比較して、症状が出るまで日数がかかるのが特徴です。

 ♦角膜ヘルペス

ヘルペスウイルスは多くは乳幼児の頃に初感染を起こし、身体の中の神経組織(神経節細胞)にひそむようになります。
一旦、神経組織にひそんでいたウイルスは、発熱、紫外線被爆、ストレスなどをきっかけにして再び活動を開始し、角膜へ移動して角膜炎を起こします(再発)。これが角膜ヘルペスです。

♦アカントアメーバ角膜炎

池や沼などの淡水に広く分布するアメーバという目にみえない微生物によって起こる角膜炎です。
近年、アメーバによる角膜感染がコンタクトレンズの装用者に激増し、注目されています。アメーバは水道水の中にも存在していて、日常の手入れに問題があり、アメーバにより汚染されたコンタクトレンズを装用することにより起こります。夜も眠れないほどの激しい目の痛みが特徴です。