【睡眠障害】
自然な睡眠が質的あるいは量的に障害されるもので、①寝つきが悪く持続した眠りが得られない(不眠症)、②過剰な睡眠(過眠症)、③入眠と起床時間管理(スケジュール)の障害、④睡眠随伴症(パラソムニア)の四つに分けられてきたが、最近の国際分類(ICSD。1990年にアメリカ睡眠障害連合会が中心となり作成)によると①睡眠異常症(不眠、過眠、概日リズム性障害を含む)、②睡眠随伴症、③内科的・精神科的障害に関連する睡眠障害(精神疾患、神経疾患、内科的疾患に伴うもの)、④提案、検討中の睡眠障害の四つに分類されています。
症状としてもっとも頻度が高いのが不眠です。一般に成人の睡眠時間は平均8時間前後といわれており、個人差を配慮しても6時間以下しか眠れていない場合を便宜上、不眠(睡眠減少)としています。不眠はその現れ方により常習性不眠と機会性不眠(特殊な状況下でのみおこるもの)に分けられ、形態からは入眠障害、熟眠障害(浅い眠り、夜中に眼が覚める(中途覚醒))、早朝覚醒などに分けられています。
不眠を原因によって分類すると、
環境因性:騒音や気温などによるもの。
身体因性:痛み・かゆみ・睡眠時無呼吸などによるもの。
脳器質性:脳血管障害などによるもの。
精神病性:うつ病や統合失調症(精神分裂病)によるもの。
その他に神経症性、老人性、薬物離脱性、精神生理性(神経質性)
に分類されます。