眼底検査
無散瞳眼底検査と散瞳眼底検査
人間ドックや検診では無散瞳(瞳孔を開かず)にて眼底写真を撮り、検査を済ませることがほとんどです。一方で散瞳(薬で瞳孔を開いた状態)すれば黄斑部(目の奥の部分)から周辺部まで眼底全体を精密に観察することができます。そのため眼科での眼底検査はほぼ全てが散瞳して眼底検査を行ないます。つまり無散瞳眼底検査と散瞳眼底検査との違いは網膜の観察範囲の違いといえます。
散瞳について
散瞳とは瞳孔が開いた状態のことをいいます。普通の状態では瞳孔の大きさは周りの明るさによって大きさを変え、眼に入ってくる光の量を調整します。散瞳は薬によって瞳孔の大きさを大きくしたままにするものです。散瞳により白内障や眼底の様子を詳しく見ることが出来ます。しかし、散瞳する場合は次のようなことに注意する必要があります。
1 .散瞳するとできなくなる眼の検査があるので、それらの検査を全て散瞳前に済ませて置く必要があります。
2 .患者さまによっては散瞳薬を点眼できないこともあります。例えば散瞳薬の点眼をきっかけに眼圧が急激に高くなり、緊急処置が必要になるなどです。そんなケースを未然に防ぐ為にも散瞳前には必ず医師による診察が必要となります。
3 .散瞳薬を点眼して眼底検査ができるまで最低30分はかかります。(瞳孔が開くまで)
4 .散瞳により眼に入る光の量が調整できなくなります。まぶしくて物が見づらくなったり、遠近感もとりづらくなります。
5 .検査後も散瞳している状態が数時間(3~5時間)持続します。(個人差があります)その間は車の運転や作業ができなくなります。
どんなときに眼底検査が必要なの?
次のような状態があるときは眼底検査を行うことがあります。
1 .虫が飛ぶように見える(飛蚊症)があるとき
2 .物が歪んで見える(変視症)があるとき
3 .視野の一部が欠けて見える(視野欠損)があるとき
4 .中心部が暗い(中心暗点)があるとき
5 .急に暗くなったとき、もしくは、見えなくなったとき
6 .糖尿病や高血圧の患者様
など
上記の状態がなくても、医師の判断で眼底検査を行う場合があります。詳しくは診察時に医師に聞いてみてください。